【2024】コーチング初心者が陥りやすい5つの落とし穴|プロが教える克服法と成功のポイント

コーチングを始めたばかりの多くの方が、「相手の反応が薄い気がする」、「成果が出ているのか自信が持てない」といった悩みを抱えることは珍しくありません。

こうした不安や疑問を抱くのは自然なことですが、その背後には、コーチング初心者が陥りやすい「特有の落とし穴」が隠れている場合が多いのです。

そこで本記事では、プロのコーチとしての実体験をもとに、初心者が直面しがちな典型的な5つの落とし穴を取り上げ、それぞれの具体的な克服法をわかりやすく解説します。

初心者にありがちなつまずきを乗り越え、より効果的なコーチングができるようになるためのヒントをぜひ見つけてください。

1. コーチング初心者が陥る5つの基本的な落とし穴

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1.1 アドバイスしすぎてしまう

最も典型的な落とし穴は、「アドバイスをしすぎてしまう」ことです。

コーチングセッションの中で、相手の話を聞いているうちに「これはこうすれば良いのに!」という解決策が思い浮かび、つい口に出してしまうケースです。

コーチングの目的は、クライアントが自ら気づき、行動を起こせるようにサポートすること。

そのため、安易にアドバイスを提供するのではなく、質問を通じて相手の内側にある答えを引き出すことが重要です。

アドバイスが多すぎる会話例

アドバイスが多すぎる会話例は以下です。

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このように、コーチが解決策を直接提示することで、クライアントが自分で問題を深く考える機会が失われてしまいます。

効果的なコーチング会話例

次に、効果的なコーチング会話例は以下です。

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このように質問を通じてクライアント自身が解決策を見つけられるようサポートすることで、クライアントの自立性が高まり、長期的な成長を促せます。

アドバイス型とコーチング型の違い

アドバイス型の特徴 コーチング型の特徴
解決策を直接提示する 質問を通じて気づきを促す
短期的な問題解決 長期的な成長支援
依存関係が生まれやすい 自立性が高まる

コーチング型のアプローチを意識することで、クライアントが主体的に行動を起こせるようになるでしょう。

POINT・セッション中にアドバイスしたくなったら、それを質問に変換する
・相手の答えを引き出すための質問を準備しておく
・沈黙を恐れず、相手の思考を待つ
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最高の答えは、相手の中にありますよ!

1.2 質問が浅くなりがち

多くの初心者コーチが陥る2つ目の落とし穴は、表層的な質問に終始してしまうことです。

効果的なコーチングには、クライアントの深い気づきを促す質問が不可欠です。

浅い質問と深い質問の比較を次に示します。

浅い質問の例

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浅い質問は一見してクライアントの思考を促すように見えますが、実際には表面的な答えにとどまりがちです。

深い質問の例

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一方で、深い質問はクライアントが自分の価値観や信念に向き合い、より大きな気づきを得るきっかけを作ります。

「長い文章で質問せよ」ということではありません。

明確な気づきを促す。

クライアントの価値観や信念に迫ることのできる質問に価値があると考えましょう。

質問の種類と効果

質問の種類 特徴 期待される効果
表層的な質問 事実確認レベル 状況の整理
分析的な質問 理由や背景の探索 問題の構造理解
変革的な質問 価値観や信念に迫る 新しい気づき

表層的な質問はセッションの序盤に役立ちますが、より深い対話が求められる中盤以降では、分析的な質問や変革的な質問を活用していく必要があります。

表層的な質問で徐々に氷を砕いていき、中盤以降は核心に迫っていくイメージです。

POINT・質問の深さを意識的に変える
・クライアントの反応を観察しながら質問を選ぶ
・答えやすい質問から段階的に深めていく
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質問は、心の扉を開くきっかけですね!

1.3 傾聴が不十分

3つ目の落とし穴は、真の傾聴ができていない状態です。

多くの初心者コーチは、「次の質問は何をしよう」と考えながら相手の話を聞いてしまい、結果として重要なメッセージを見逃してしまいます。

クライアントが伝えたい核心のメッセージに気づけなくなってしまうのです。

傾聴力を高めるには、次のポイントに注意してみてください。

効果的な傾聴のチェックリスト□ 相手の話に100%集中できている
□ アイコンタクトを適切に取れている
□ 相手の感情の変化に気づける
□ 言葉の背景にある意図を理解しようとしている
□ 自分の価値判断を挟まずに聴ける
□ 適切なタイミングでうなずきや相づちができている

これらのチェック項目を習慣的に意識することで、コーチングセッション中の傾聴スキルを徐々に高めることができます。

自分がどの程度実践できているかを振り返りながら取り組むのが効果的です。

POINT・相手の話を遮らない
・メモを取る際も相手との接点を切らない
・非言語コミュニケーションにも注意を払う

1.4 目標設定があいまい

4つ目の落とし穴は、セッションの目標設定が不明確なことです。

「今日は何を話しましょうかね~?」という漠然とした始まり方では、具体的な成果を生み出すことが難しくなります。

目標が曖昧だと、セッションの進行が方向性を欠き、クライアントも満足感を得られないまま終わってしまう可能性があるのです。

一方で、明確な目標を設定することで、セッションの焦点がはっきりし、時間を有効に活用できるようになります。

目標は、クライアントが取り組むべき具体的な行動や達成すべき成果を明示するものである必要があります。

効果的な目標設定のフレームワーク

効果的な目標設定のフレームワーク【SMART目標の設定】
S(Specific):目標が漠然としたものでなく、具体的であることを意識します。
M(Measurable):進捗や成果が明確に測定できる基準を設けます。
A(Achievable):現実的かつ達成可能な内容であることが重要です。
R(Relevant):クライアントにとって重要な目標である必要があります。
T(Time-bound):目標達成の期限を設定します。

SMART目標を用いることで、目標が抽象的なものではなく、クライアントが行動に移しやすいものになります。

目標設定のステップ

目標設定を進める際には、以下のようなステップを踏むと効果的です。

ステップ 確認すべきポイント 具体例
初めに方向性を確認 セッションで達成したい内容を明確にする 「部下との信頼関係を築きたい」
目標を具体化 測定可能な指標を設定する 「週1回の1on1を3ヶ月間実施」
実行可能か確認する 必要なリソースや時間を確認 「現在の業務スケジュールで実施可能」
期限を決める 達成までのタイムラインを設定 「3ヶ月後までに実現」

効果的な目標設定のための質問例

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どのような角度、視点からの質問でもOKですが、クライアントがセッション終了時や目標達成時にどんな状態になっていたいか。

想像するだけでモチベーションが高まるような質問を実施しましょう。

1.5 時間管理が甘い

5つ目の落とし穴は、セッション時間の管理が適切にできていないことです。

特に初心者コーチは、話が盛り上がると時間を超過してしまいがちです。

一見すると良いセッションに思えるかもしれませんが、時間の超過はクライアントの予定に影響を及ぼしたり、セッションの集中力を損なったりするリスクがあります。

(どうしても時間超過する場合は、必ずクライアントに時間の確認を!)

効果的な時間管理のための60分セッション構成例【導入:10分】
・ラポール形成:クライアントとの信頼関係を築き、リラックスした雰囲気を作る。
・前回の振り返り:前回のセッションで設定したアクションや課題を簡単に確認する。
・本日の目標設定:クライアントがセッションを通じて何を得たいかを明確にする。
【本題:40分】
・現状の確認(15分):クライアントの現状や課題を深掘りし、重要なテーマを特定する。
・選択肢の検討(15分):課題解決のための具体的な方法や選択肢を質問によって洗い出す。
・アクションプランの策定(10分):選択肢の中から最適な行動を選び、次に取るべき具体的なステップを決める。
【まとめ:10分】
・学びの確認:セッションで得た気づきや学びを振り返り、クライアント自身の成長を確認する。
・次回日程の調整:クライアントの予定を確認し、次回のセッション日を決める。
POINT・セッション開始時に時間配分を共有する
・定期的に残り時間を確認する
・時間調整が必要な場合は、クライアントと相談する
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時間超過、ダメ絶対!

2. プロが教えるコーチングスキル上達法

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2.1 効果的な質問力の磨き方

質問力は、コーチングにおいて最も重要なスキルの一つです。

しかし、多くの初心者コーチは「質問のテクニック」にばかり注力してしまい、対話そのものの本質を見失ってしまうことがあります。

コーチングにおける効果的な質問とは、ただのテクニックにとどまらず、相手の思考を深めたり、新しい気づきを促すものでなければなりません。

そのためには、単に質問を投げかけるだけでなく、相手を理解し、共感する姿勢が欠かせません。

例えば、「どうしてそう思うのですか?」という一見シンプルな質問も、そのタイミングや文脈によって効果が大きく変わります。

もし相手が自分の考えを深く掘り下げたいという意欲を持っている場合はよいでしょう。相手の思考を整理し、さらに深い洞察を得るきっかけとなります。

しかし、もし相手が不安や混乱を抱えている状態では、同じ質問でも逆効果になることがあります。

過度のプレッシャーやストレスを感じさせてしまうことがあるため、状況に応じて慎重に質問を選ぶことが大切です。

以下表に、質問力を高めるための3つの要素を示します。

質問の要素 要点 確認ポイント
目的を持った質問 質問の意図を明確にする • 何のために質問するのか
• どんな気づきを促したいのか
• 相手にとってどんな価値があるのか
文脈を意識した質問 背景状況を理解する • 相手の発言の背景は何か
• どんな環境や状況にあるのか
• これまでの経験や価値観は何か

大事なのは、セッション中に意図を持って質問を行うことです。

「今は、価値観を探ろう」「●●が不明瞭そうだから、明確にする質問を行おう」etc…

これらは、実践と振り返りを重ねることで、徐々に身についていくものです。

効果的な質問のパターン例も見てみましょう。

質問の種類 目的 具体例
発見的を行うための質問 気づきを促す 「その選択の背景にある、あなたの大切にしている価値は何でしょうか?」
拡大するための質問 視野を広げる 「他にどんな選択肢が考えられますか?」
具体化するための質問 明確にする 「具体的に、いつ、どんな場面でそれを実践しますか?」

これらの質問パターンは、あくまでも参考例です。

実際のコーチングでは、相手の反応や状態を見ながら、柔軟に質問を組み立てていく必要があります。

時には、計画していた質問を完全に置いておいて、その場で生まれた直感的な質問のほうが効果的なこともあるのです。

2.2 信頼関係を築くコミュニケーション術

コーチングの成功は、クライアントとの信頼関係に大きく依存します。

この関係性がしっかり構築されていないと、どれだけ優れたスキルやテクニックを使ったとしても、セッションは表面的なものにとどまってしまいます。

特に初心者コーチは、テクニックばかりに注目してしまい、この重要な土台作りを疎かにしがちです。

しかし、クライアントが「このコーチなら安心して話せる」と感じられる環境を作ることと、セッションの質は大きく向上します。

信頼関係を築くには、心理的安全性一貫性透明性といった基本的な要素を意識しながら、日々のセッションで具体的な行動に落とし込むことが重要です。

要素 具体的な行動 期待される効果
心理的安全性の確保 • 否定や批判を控える
• 相手のペースを尊重する
• 守秘義務を徹底する
クライアントが安心して本音を話せる
一貫性の維持 • 約束を必ず守る
• 言行一致を心がける
• ブレない態度を示す
信頼できる存在として認識される
透明性の確保 • 限界は正直に伝える
• 疑問点は率直に確認
安心感が生まれる
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初回は特に信頼関係構築を優先しよう!

3. コーチング初心者のためのQ&A

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3.1 主なトラブルと解決策

コーチングセッションでは、様々な予期せぬ事態が発生することがあります。

初心者コーチにとって、これらの状況は不安の種となりがちですが、適切な対応を知っておくことで、むしろ信頼関係を深めるチャンスとなります。

多くの初心者コーチは「完璧なセッション」を目指してしまいますが、実はそれが逆効果となることもあります。

大切なのは、起きた出来事に対して、誠実に向き合う姿勢を示すことです。

予期せぬ状況 すぐにできる対応 なぜその対応が効果的か
沈黙が続く 焦らず待つ クライアントの思考時間を確保できる
話が脱線する 「先ほどの話に戻りますが」と軽く確認 強制的でなく自然な軌道修正ができる
クライアントが感情的になる 一度深呼吸を促す 心理的な距離を取る時間ができる
POINT・完璧を目指さず、誠実に対応する

3.2 効果的な学習方法

コーチングスキルは、理論と実践の両輪で向上していきます。

ただし、初心者がいきなり高度な理論を学ぶことは逆効果です。

まずは基本的なスキルを着実に身につけることが重要です。

具体的には、最初は傾聴と質問の基本を書籍や講座で学び、その後、実践練習としてロールプレイを行います。

ある程度経験を積んだ段階で、メンターからフィードバックを受けることで、自分の課題を明確にしながら更なるスキルアップを目指せます。

多くの初心者は「早く上手くなりたい」という思いから、基礎的な部分を飛ばして応用に進もうとしがちです。

しかし、基礎がしっかりしていないと、その後の成長に支障をきたす可能性があります。

POINT・基礎から応用へ段階的に進む

3.3 セッション改善のためのヒント

コーチングの質を高めるには、各セッション後の振り返りが重要です。

ただし、細かい点にこだわりすぎると、本質的な改善点を見失う可能性があります。

振り返りでは、主にクライアントの反応、対話の流れ、目標達成度の3点に注目します。

例えば、クライアントが特に生き生きと話していた場面や、逆に表情が曇った瞬間などを記録しておくと、次回のセッションに活かせます。

振り返りの観点 確認ポイント
クライアントの反応 表情、声のトーン、姿勢の変化
対話の展開 質問の効果、沈黙の意味、気づきの瞬間
目標達成度 設定した目標への到達度、新たな課題の発見
POINT・本質的な改善点に焦点を当てる

4. まとめ

コーチング初心者が陥りやすい5つの落とし穴について解説してきました。

上手なコーチングには経験が必要ですが、これらの基本を押さえることで、より効果的なセッションを実現できます。

重要なのは以下の5点です。

まとめ・アドバイスは控えめに、質問を重視する
・深い質問で本質に迫る
・傾聴を徹底する
・セッションの目標を明確にする
・時間管理を意識する

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FIRST COACH 加藤巧海

FIRST COACH 加藤巧海

株式会社FIRST COACH 代表取締役 認定プロコーチ。 1996年生まれ、広島出身です。 コーチングの現場で培った実践的なノウハウを提供し、クライアントと共に成長し続けることを大切にしています。 エグゼグティブ・コーチングによる目標設定、現状把握、解決策の創出で、個人や組織のリーダーシップを強化。目標達成に向けて成長するための戦略的なプロセスへ焦点を当てたアプローチに高い評価をいただいています。

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