ビジネス書やメディアなどで“コーチング”という言葉を見聞きする機会が増えてきました。
今回は、さまざまな分野で注目を集めるコーチングが流行している理由と、そもそもコーチングとはどんなものなのか、その活用方法や効果について解説していきます。
コーチングという名称は聞いたことがあるけど、よくは知らないという人も多いかと思います。
この記事では、コーチングの基礎的な知識から生活や仕事に役立てる方法を知ることができます。
この記事を読んでコーチングに対する理解を深め、願わくばコーチングの世界に興味を抱き、素晴らしい一歩を踏み出す方が増えてくれたら幸いです。

コーチングってなんとなく聴いたことがある程度なんだよね!
コーチという言葉の歴史
「コーチ」という言葉の誕生(1,500年~)
まずはじめに、コーチという言葉が登場した歴史について少しだけ解説します。
現代ではコーチと聞けば、ほとんどの人がスポーツや教育などの場で指導をする人を思い浮かべるかと思います。
しかしコーチという単語が登場した当初、その言葉の意味は現代とは少し違ったものでした。
コーチという単語がこの世に誕生したのは、およそ500年前の1500年代だといわれています。
ハンガリーのコチ(Kocs)という地域で造られ世界中へと広まったと言われているのが、馬に荷台を運ばせる乗り物「馬車」です。
この新しい乗り物を人々はコーチと呼ぶようになり、馬車を見る機会が減った現代でも欧米などではバスや電車などの移動手段をコーチと呼んでいるそうです。
つまり、コーチという単語は元々「馬車」という意味で使われていた言葉で、その歴史は非常に古いことが判ります。
馬車とは、荷物や人を目的地まで運んでくれる便利な乗り物。
この「目的地へ送り届ける」という部分が、適切なアドバイスや指導で対象を支援する人と重なることから少しずつ言葉の意味が変化していきます。
教育分野への広がり(1,800年~)
1800年代になるとオックスフォード大学で受験の指導をする教師やボート競技の指導者などが「コーチ」と呼ばれるようになり、
これらを発端として次第にコーチ=指導者という認識が広がり定着するようになったのです。
ビジネス分野での確立(1,950年~)
そして今回のテーマとなっている「コーチング」という学問が確立されたのは1950年代。
ハーバード大学の助教授だったマイルズ・メイスの著書で、「コーチングがマネジメントにおける重要な要素だ」と説いたことが始まりだと言われています。
さらに30年の月日が流れ、1980年代に突入する頃になるとマイルズの説いたコーチングが改めて注目され、多くの有識者たちが次々と関連書物を出版するようになります。
マイルズが説いたコーチングの研究が進み、コーチとして優れた人の行動を紐解き、心理学などの学術的な解析と共に、コーチングが一つの学問として確立されていったのです。
世界で初めてコーチを育成する機関が登場したのは、1992年のこと。
当時、世界経済をリードしていたアメリカでCoach Universityというコーチ育成機関が誕生したのを皮切りに、主に経済マネジメントにおける重要なスキルとして世界中にコーチングが認知され広まっていきます。
そして、この新しい学問であるコーチングが今まさに高い注目を集めていて、日本でもさまざまな分野で取り入れるというムーブメントが広がり続けているのです。
・1950年代に学問として確立され、マイルズ・メイスが「マネジメントにおける重要な要素」として提唱
・1980年代に注目され、1992年にはアメリカで初のコーチ育成機関が誕生し、世界的に広まる

意外とめちゃくちゃ歴史がある!
なぜ今、コーチングが注目されているのか?
比較的新しい学問として登場したコーチングですが、世に認知されてから30年以上の月日が経っています。
そんなコーチングが、なぜ急激に注目が集まり流行しているのでしょうか。
日本はコーチング後進国だが市場規模は増加傾向
出所:日本経済新聞(https://www.nikkei.com/article/DGKKZO58843560X00C20A5TJ1000?unlock=1)
海外ではコーチングの登場から現在に至るまで、注目と導入は常に広がり続けています。
米国のビジネスコーチング市場は約150億ドル(約1兆6千億円)に達します。
日本にコーチングが本格的に流入してきたのは1997年だったにも関わらず、保守的な国民性もあってか海外に比べて積極的に導入する企業は少なかったのですが、
直近ではコーチング国内市場は2015年は50億円程度であったのに対し、2019年には300億円程度まで成長を遂げています。
流行の大きなきっかけとなったコロナ禍
2019年の12月初旬、中国の武漢で感染者報告があってから、わずか数ヶ月で爆発的に世界中へと広がった、未曾有のパンデミックがコロナ禍の始まりでした。
奇しくも、日本国内でコーチングの認知が広がり流行となるきっかけになった大きな要因として、コロナ禍による生活様式の変化があったと言えるのです。
コーチングとは人材育成や教育に役立つものという認識が強く、言い換えれば一部の企業やお金持ちの人が受けるものという印象を持たれがちでした。
しかしコロナ禍によって大手企業のみならず、中小企業も含めた日本の多くの企業が、思わぬ事態で頭を悩ませる問題に直面することとなります。
それはテレワークによる社員のモチベーション低下や多大なストレス、さらにはリモートによるコミュニケーション不足による混乱など、過去に類を見ない問題ばかりでした。
こうした社員のメンタルケアや、リモートでも円滑なコミュニケーションで指揮命令をスムーズに行うための有効な手段として注目を集めた技術こそがコーチングだったのです。
コーチングは「対個人」から「企業全体」の時代へ
コーチングが流行しているもう1つの大きな要因は、コーチングという技術そのものが進化を続けている点にもあります。
基本的に1対1の対話形式で行うコーチングは、その特性から経営者や重要なポストの人が受けるものというイメージが先行していました。
しかしコーチングの運用方法なども日々進化を続けていて、対個人ではなく組織全体を改革するためのツールとして活用される方法も確立されてきたのです。
コロナ禍における社員のメンタルケアと、組織全体の改革ツール。
コーチングを活用することで、企業が抱える2つの大きな問題の解決へと繋がることが判ると、導入を検討する企業が激増して現在のコーチングブームが起きているのです。
不安を抱える個人もコーチングに注目
引用:将来のお金に不安を感じている人 75.7%!新型コロナウイルス感染症の流行に伴う将来のお金に対する意識を調査
もちろん、コーチングが流行しているのは企業の導入だけではありません。
やはりコロナ禍の影響が強いという点は同じですが、主婦や学生などビジネスマン以外の個人も先行きが不透明な時代に強い不安を感じ、コーチングに高い関心を寄せているのです。
「自分は何をすべきか、将来どのように進むべきなのか」という漠然とした不安を解消したいと考える人や、コーチングを学ぶことで悩み苦しむ人たちの手助けをしたいという人が急増したことも大きな要因となっています。
企業・個人を問わず注目が集まるコーチングですが、続いては学ぶことによってどんなメリットがあるのかを解説していきましょう。
コーチングを学ぶと、何がいいのか?
企業、個人を問わず脚光を浴びているコーチングですが、自身のキャリアアップや役立つ技術として学んでみたいと思う人も急増しています。
もしコーチングを学び、その技術を習得すると具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
自分自身の生き方・考え方が大きく変わる
コーチングを学ぶことのメリットとして、最も判りやすいのが「自分自身の変化」です。
コーチに限らず誰かに何かを教えるとき、教える側は確固たる自信と裏付けを持っていなければなりません。
コーチングを学ぶということは、その過程で自分自身がその効果を体感するということでもあるのです。
・自分が本当にやりたいことは一体どんなことなのか。
・幸せを感じるときはいつなのか?それを享受し続けるためには何をするべきか?
コーチングを学ぶと、自分自身の生き方や考え方についても深く掘り下げることになり、結果的に学ぶだけでコーチングを受けるのと同じ効果がもたらされるのです。
コーチが最初にコーチングをするのは自分自身。
コーチングを学ぶことは、技術が身に付くだけでなく抱えている不安や悩みの解消にも繋がります。
「ブレない自分」が確立する
自分自身の変化をもっと分かりやすく表現すれば、「芯の確立」です。(図表オレンジ文字部分)
私は多くのコーチング実践者が、この学びの過程で「迷いが減った」「決断が早くなった」と語るのを聞いてきました。
自分の価値観が明確になることで、物事の判断基準が定まり、意思決定がぶれなくなります。
たとえば、キャリアの選択や人間関係の構築において、「これは自分に合っている/合っていない」という直感が働くようになるのです。
キャリアアップや独立へのきっかけになる
コーチングを学ぶことは、自分自身のキャリアアップやコーチとして独立するためにも役立ちます。
企業に属しているのであれば、コーチングを職場で活かすことで「人材育成に長けた人」として高い評価を受けることができるかもしれません。
また、プロコーチとして独立開業するという選択肢も広がります。
キャリアパス | メリット | 求められるスキル |
社内での活用 | ・人材育成の専門家としての評価向上 ・マネジメント力の強化 ・昇進/昇格の可能性 |
・1on1スキル |
プロコーチ独立 | ・柔軟な働き方の実現 ・高度な専門性の発揮 ・経済的自立の可能性 |
・コーチング技術 ・ビジネス開発力 |
副業・複業 | ・副業収入の確保 ・スキル向上機会の増加 ・つながりの拡大 |
・時間管理能力 ・営業力 |
もちろん、独立、副業となれば直接的に収入増加を図ることが可能です。
コーチングの単価は以下を参照ください。
セッション形式 | 単価(税抜) | 特徴 |
個人向け単発 | 5,000-15,000円/回 | ・60-90分 ・オンライン中心 |
法人向け | 20,000-50,000円/回 | ・90-120分 ・対面/オンライン |
経営者向け | 50,000-100,000円/回 | ・120分程度 ・専門的支援 |
法人、経営者向けは一定程度のビジネス知識も求められるためハードルが高まりますが、個人向けのセッションは比較的早期に収益化が可能です。
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よくある質問
Q1.コーチングとカウンセリングの違いは?
主な違いは3つあります。
・コーチングは「未来」に焦点を当て、目標達成をサポート
・カウンセリングは「過去」の問題解決や心理ケアが中心
・コーチングは答えを引き出す、カウンセリングは専門家が解決策を提示
Q2.どんな人がコーチングを受けると良いのでしょうか?
以下のような方におすすめです。
・キャリアの転換期にある方
・リーダーシップを高めたい方
・自分の可能性を広げたい方
・具体的な目標達成をしたい方
・仕事や人生の生産性を上げたい方
Q3. コーチングセッションはどのように進むのですか?
一般的に、以下のようなフローを会話形式で行います。
-
- 1目標設定(何を実現したいか)
- ▼目標設定の質問例
・半年後の理想の姿は?
・その目標が達成できたら、何が変わりますか?
・なぜ、それを実現したいのですか?
-
- 2現状把握(今どんな状況か)
- ▼現状把握の質問例
・今の状況で、うまくいっていることは?
・一番の課題は何だと感じていますか?
・これまでどんな取り組みをしましたか?
-
- 3選択肢の洗い出し(どんな方法があるか)
- ▼選択肢の洗い出しの質問例
・目標達成にはどんな行動をすると良いでしょうか?
・誰かに相談したら、どんなアドバイスをくれそうですか?
・他にどんな方法が考えられますか?
-
- 4行動の決定(具体的に何をするか)
- ▼行動の決定の質問例
・まず、何から始めますか?
・次回までに、具体的に何をしますか?
・今日からすぐにできることはなんですか?
Q4. コーチになるために必要なものは?
コーチングスキルの習得には、独学という選択肢もありますが、スクール受講を推奨します。
書籍やオンライン教材で基礎は学べるものの、実践力を高めるには「学び」と「実践」の両輪が不可欠だからです。
スクールでは、体系的なカリキュラムに加え、受講生同士でのロールプレイや、経験豊富なメンターからのフィードバックが得られます。
これにより、理論と実践を効果的に結びつけることができます。
独学の場合は、まず身近な友人や同僚との練習から始め、徐々に対象を広げていくことをお勧めします。

とにかく実践の場が必要です!
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